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人権侵害法案   

2006年 01月 08日

鳥取で人権条例有識者懇話会

 この日は、県側としては特に問題とされている人権侵害の定義や過料・公表の罰則など
個別に改善、修正の方途を探る予定だった。

 ところが、県弁護士会は「禁止規定の内容は憲法と真っ向から衝突する」
「条例全体の整合性を見直し、再構築が必要」「実態を把握し、それに合った条例に
作り直すべきだ」「施行を1、2年先に延ばし、新たな条例を知事部局が提示し、
徹底的に議論すべきだ」と修正レベルでの議論を避け、ゼロからの再構築の必要性を強調、
施行の凍結を求めた。

 中村英樹鳥取大学講師(憲法・行政法)も「人権侵害の対象を広くし、駆け込み寺的なものにするのか、または対象を絞って解決を図るのか。いずれにしろ再構成が必要」と指摘した。
(山陰中央新報)

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 この法案の危険性は、今更ここで説明するまでもないので、省いて本題へ直接。
 
 私は何を隠そう、鳥取出身である。
 現在は広島に在住するが、この法案を知ったのは恥ずかしながら、「可決しました」の
ニュースであった。議案時点では、なんら情報を得ることが出来なかった。

 私は一貫して、人権擁護法案に反対意思を持っていた。結局同案はお蔵入りとなり、
助かったと胸をなで下ろしたのも束の間、まさか事もあろうに自分の故郷で「条例」という形で、
収まったはずの火種が再燃するとは思わなかった。

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 元来鳥取県はDV、すなわち家庭内暴力問題についての先進県であり、その手の問題で
悩んでいる人が鳥取県を「駆け込み寺」として利用していたという側面があった。
ちなみに、こういう場合の「先進県」というのは実質的に、真剣に考え取り組んでいるという
意味ではない。「保護してもらいやすい」、要するに「甘い」という意味である。

 またそれ以外にも、片山知事の革新性の悪い作用と言うことも出来る。鳥取県西部地震時の
公金投入など積極的な行政を評価され、全国一位の支持率(読売新聞調査)を誇っていた
同知事だが、その要因としてこの知事は、基本的に「地方」であることにコンプレックスが強い
ことが挙げられる。随所に発揮される革新的な行政手腕には、零細県であることに甘えたくない、その意識もあるのだ。
 そちらばかりに作用していればいいのだが、時にそれが、中央政権への行きすぎたほどの
対抗心となっているのが垣間見える。随分昔のことになるが、「ホテル税」を導入しようとした
石原慎太郎東京都知事に対し、「東京のホテルを利用するな」とまで言い放ったこともある。

 話を戻すが、今回の法案は、そういった意識が乗り移った、先進性希求の表れという見方も
出来る。国が出来なかったことを県で実現してやろう、そういう意識があったのかもしれない。
(※注:ただし今回の法案は議員持ち込みであり、また議会・行政独立の原則から、直接的に
    知事の意向が絡んだものではない)

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 そういった人権「先進県」としてのプライドがあったのか、或いは中央政権へのつまらない
見栄からか、今回十分な議論も尽くされぬまま、「人権擁護」の大義名分に踊らされたかの如く
あっさり議案は可決、施行を待つことと相成った。

 しかし、黙るしか出来ない訳じゃない。施行まであと約半年だが、それまでに今回のような
懇話会を開催し有識者の発言力・理解を後押しし、また住民としてもし反対と思う人なら、
遠慮せず様々な抗議方法でどんどん対抗していかねばならない。
 幸い片山知事は、条例の細部見直しには肯定的な姿勢を見せている。私としても可能な限り
抗議に協力し、最低でも施行の延期や細部の是正、願わくば施行中止へ追い込めるよう、
アプローチしていきたいと思う。

★鳥取県人権法案反対サイト
http://www.powup.jp/jinken/tottori/no.html
こちらのサイトでは、鳥取県製品を徹底して買わない事による抗議運動を推進しています。
私はこれについてはあまり賛成的ではありませんが、そういった抗議方法も一つの有力な
手段と考えるので、実行される方がいれば応援します。

by taoyao | 2006-01-08 02:40

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